たまには夜にカーテンを閉めようか

夜にカーテンを閉める。

それだけで家の中が守られているような安堵感に包まれて、家庭という雰囲気になる。


そんな事はずっと前から気づいているのに、どうして私はいつもカーテンを閉めないんだろう?


朝日と共に起きた方が健康的だからとかカーテンを開ける音で朝はゆっくりのパートナーを起こしたくないからだとか、色んな言い訳を考えてみるけれど、ただ単にそのたった数秒の作業が億劫なだけだ。


我が家のメンバーはパートナーと私と2匹の猫、だけど家庭という認識は薄い。


私と彼とはおそらく同じような傷を持っていて、お互い自由に生きてきた。


彼は恋人というよりも自分と一緒に人生を歩んでくれる人で、私にとって存在だけで癒される空気清浄機のような人。そして、向こうもこっちを似たように思っているらしい。


なのに、そんな大切な人の為にどうしてカーテンひとつひいてあげられないんだろう?


食文化も好みも趣味も年代も何もかも違う彼と、こんなに深く繋がりを感じるのは不思議だけれど、だからこそ薄々感じてる。
彼も家庭を持つのが怖いのだ。


幼い頃から探し続けた桃源郷がここだったなんて我ながら笑えるけれど、まるで子供に戻ったかようにずっと自由に遊んでいられるこの場所が好きだった。ずっとずっとこうしていたかった。


だからきっと、カーテンを閉めたくなかったのだ。


だけど、彼が家を空けてる今、こうやってカーテンを閉めたくなるのはどういう事なんだろう?


そろそろ私だけの領域に、彼を招き入れる時期なのかもしれない。